バックオフィスの何でも屋が、AIにハマった理由

このコラムも、気づけば10回になった。

節目だから総括する、というつもりはない。きっかけができたので、少し自分の話をしようと思っている。私がなぜAIにここまでハマったのか。バックオフィスの人間がなぜサービスを作り始めたのか。その話だ。


目次

何でも屋、という生き方

私のキャリアは、一言で言うと「何でも屋」だ。

経営企画を中心に、財務、法務、市場調査——ひとつの専門に深く潜るより、組織に必要なことを横断的にやってきた。契約書を読んで、数字をまとめて、調査レポートを書いて、公開準備の書類を整えて。気づけば、どの部署にも属せないが、どの部署の仕事もできる、という人間になっていた。

これは長い間、コンプレックスだった。「専門家」と名乗れるものがない。「○○のプロ」と言い切れない。ひとつのことを深く極めた人間の方が、世の中には強いと思っていた時期がある。


AIが、何でも屋を解放した

AIに出会って、その感覚が変わった。

AIは専門家だ。法律のことも、財務のことも、コードのことも、マーケティングのことも、深く知っている。でもAIには、横断的に文脈を読む力がない。複数の専門領域をつなぎ合わせて、全体として何が最善かを判断する力がない。

そこに気づいたとき、何でも屋というキャリアが突然、武器に変わった。

法務の文脈で契約書をAIに読ませながら、財務の視点でリスクを評価する。市場調査の経験でAIの出力を検証しながら、経営企画の目線で意思決定に落とし込む。AIは専門知識を提供する。人間はその専門知識を統合して判断する。その統合役として、何でも屋は強い。

AIが普及すればするほど、「専門家」はAIに代替されやすくなる。逆に、複数の領域をつなぐ人間の価値は上がる。これは私の希望的観測ではなく、実際にそういう手応えを感じている。


サービスを作り始めた理由

AIにハマっただけなら、使いこなすだけでよかった。なぜ作る側に回ったのか。

答えは単純だ。使っているうちに、「これはない」と思うものがあったからだ。自分が欲しいのに、世の中にないものがあった。だったら作ればいい。AIのおかげで、その「だったら作ればいい」が現実になった。

バックオフィスの人間がサービスを作る、というのは、5年前なら笑い話だったかもしれない。今は笑い話ではない。作れる時代になった。その事実が、私を動かした。


このコラムを書き続ける理由

最後に、このコラムについて少しだけ。

AIについて書けることは、まだたくさんある。法律が変わる。ツールが変わる。使い方が変わる。社会の受け取り方が変わる。書くべきことは、減るどころか増えている。

それに、私はまだ途中だ。サービスは作り続けている。失敗もしている。学んでいる。その過程を、思ったことをそのまま書く場所として、このコラムを続けるつもりだ。

区切りでも総括でもない。ただの、途中経過だ。次回も、何か思ったことを書く。


株式会社スポルアップ CFO 加藤
AI・経営・数字まわりのことを、思ったことをそのまま書いています。

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この記事を書いた人

事業内容:EC支援・マーケティング支援・データ分析
代表は大手ECプラットフォームにおける実務経験を有し、役員は市場調査会社にてリサーチ業務に従事。実務とデータ分析の両面から企業の成長支援を行っています。

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