株式会社スポルアップ CFO 加藤– Author –
株式会社スポルアップ CFO 加藤
法務・財務・内部統制・情報セキュリティの実務を経て、AI時代の企業支援へ。バックオフィスの現場で見てきたことを、そのまま書いています。
-
AIコラム
審査員は、AIの何を聞いてくるか
Pマークの担当をしていた頃、年に一度の審査の日は、朝から妙に部屋が静かだった。審査員が来て、台帳を開き、目的を確かめ、鍵のかかる棚の前で立ち止まる。質問は決まって、こうだった。この情報は、何のために、誰が、どこまで使っているか。答えに詰ま... -
AI×データ・統計
家賃が高いのではなく、部屋が狭い
東京に引っ越したとき、最初に驚いたのは家賃の額ではなかった。同じ家賃で借りられる部屋が、前に住んでいた町の半分ほどしかなかったことだ。家賃の数字そのものは、覚悟していたぶん驚かない。驚いたのは、その数字で手に入る広さのほうだった。あの日... -
AI×データ・統計
人手不足は、業種で逆回転している
いろいろな業種の会社を、毎週のように回っていた時期がある。業務ソフトの導入を手伝う仕事で、月曜は小売、火曜は製造、木曜は飲食、という具合だ。ある週、忘れられない体験をした。午前中に訪ねた会社では「人が採れなくて店を開けられない」と嘆かれ... -
AIコラム
「通る稟議書」は、もう書ける
稟議書の書き方を、先輩から仕込まれたことがある。以前在籍していた会社でのことだ。金額の根拠は三つの見積もりで挟む。リスクの欄には、正直に書きすぎない程度に正直に書く。結論を先に、経緯は短く、決裁者が気にする論点は先回りして潰しておく——。... -
AI×データ・統計
1.18倍は、二度来た
採用の予算を組む側に座っていたことがある。景気が傾くと、あれほど「人が足りない」と騒いでいた社内が、嘘のように静かになる。求人広告は削られ、採用計画は凍り、翌年の新卒枠がゼロになる。そして数年経つと、また「人が足りない」が戻ってくる。同... -
AIコラム
「使うな」から、「雑に使うな」へ
Pマークの担当をしていたことがある。個人情報の取り扱いを審査する、あの認証制度だ。台帳を整え、目的を書き出し、鍵のかかる棚を数え、年に一度の監査に備える。地味の極みのような仕事だったが、あそこで叩き込まれた習慣がひとつある。個人情報を前に... -
AIガイドライン
任せてよい。ただし、手放すな
AI事業者ガイドラインという、百ページある政府の文書を通読したことがある。総務省と経済産業省が出している、日本のAI活用の「お作法集」だ。法律ではないから罰則はない。だが、企業がAIとどう付き合うべきかを考えるときの、事実上の物差しになってい... -
AIコラム
月次決算は、AIでは締まらない
経理の仕事に関わっていた頃、月初の一週間だけは、時間の流れ方が違った。前の月の数字を確定させる、月次決算の週だ。銀行の残高と帳簿を突き合わせ、売掛金の入金を消し込み、請求書の来ていない経費を見積もりで立てる。どれも地味な作業だが、ひとつ... -
AI×データ・統計
人手不足は、平均では起きていない
採用の窓口に座っていたことがある。バックオフィスの何でも屋をやっていた頃で、求人を出すのも、応募をさばくのも仕事のうちだった。そこで奇妙なことに気づいた。事務の求人を一つ出すと、応募が束になって届く。ところが、現場寄りの職種で募集をかけ... -
AI×データ・統計
世界二位の市場は、世界と逆を向いている
わが家には、もうCDプレーヤーがない。音楽はすべてサブスクで聴く。何年も前にそうなって、不便を感じたことは一度もない。だから、世界の音楽業界のニュースがストリーミングの話一色でも、当然だと思って読んでいた。ところがある日、勤め先の若い同僚...
