ネット通販で買った物が、思っていたのと違った。サイズが合わなかった。そんなとき、返品・交換の手続きをする人もいれば、手間や送料を考えて、そのままにする人もいます。当社の第6弾調査「50代のEC利用実態」(2026年9月・50代300名)では、ECの不満として「返品・交換の手続きが面倒」を50代の26.0%が挙げていました。
当社(株式会社スポルアップ)は、20〜59歳のECアクティブユーザー300名を対象に、直近1年の返品・交換の経験と、「したかったのに、しなかった(できなかった)」経験、その後の買い方の変化を調査しました。見えてきたのは、返品・交換をする人ほど、見送った経験も持っているという姿でした。
本記事では、当社調査データと自由記述の声をもとに、返品・交換をめぐる行動と、EC事業者が取りうる対応の方向性を整理します。
返品・交換した人は43.3%、したかったのにしなかった人は32.3%

設問:「直近1年以内に、ECサイトで購入した商品を返品または交換したことがありますか」「『返品・交換したい』と思ったのに、返品・交換をしなかった(できなかった)ことがありますか」(各 n=300)
| 回答 | 返品・交換した | したかったのに、しなかった |
|---|---|---|
| 3回以上ある | 18.3% | 12.0% |
| 2回ある | 9.0% | 6.3% |
| 1回ある | 16.0% | 14.0% |
| ない | 56.7% | 67.7% |
| あり 計 | 43.3% | 32.3% |
直近1年に返品・交換した人は43.3%、2回以上の人も27.3%います。「したかったのに、しなかった(できなかった)」人は32.3%で、約3人に1人です。どちらかの経験がある人は48.3%と、EC利用者のおよそ半数が直近1年に返品・交換に関わっていました。
返品・交換をした人の63.1%は、見送った経験もある

| 経験の組み合わせ | 割合(n=300) |
|---|---|
| 返品も見送りも経験 | 27.3% |
| 返品のみ | 16.0% |
| 見送りのみ | 5.0% |
| どちらもなし | 51.7% |
返品・交換をした人(n=130)のうち63.1%が、見送った経験も持っています。返品・交換をしなかった人(n=170)で見送った経験があるのは8.8%でした。
→ 「返品する人」と「しない人」に分かれているのではなく、返品・交換をする人が、場面によっては見送ってもいる
見送った理由——「手続き」「返品できない商品」「返送料」が並ぶ

設問:「返品・交換をしなかった(できなかった)理由」(複数回答・見送った経験のある n=97)
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 申請や連絡の手続きが面倒だった | 32.0% |
| 返品・交換ができない商品だった(セール品・開封済み など) | 29.9% |
| 返送料・手数料が自己負担だった | 27.8% |
| 返品・交換ができる期限を過ぎていた | 20.6% |
| ショップ・サイトに連絡がつかなかった、対応が悪かった | 17.5% |
| 梱包・発送の手間がかかる | 15.5% |
| 金額が小さく、手間に見合わなかった | 14.4% |
| 返品・交換の方法や条件が分からなかった | 9.3% |
上位3つの差は数ポイントで、ほぼ並んでいます。手続きの手間、返品できる条件、費用の負担と、性質の異なる理由が同じくらい挙がっているのが特徴です。
77.9%が、その後の買い方に変化

設問:「その後、ECでの買い方に変化はありましたか」(複数回答・返品・交換した、または見送った経験のある n=145)
| 変化 | 割合 |
|---|---|
| サイズ表・商品説明・レビューをより入念に確認するようになった | 41.4% |
| 購入前に返品・交換の条件を確認するようになった | 27.6% |
| 返品・交換がしやすいサイトやショップを選ぶようになった | 24.8% |
| その商品を買ったショップ・サイトでは買わなくなった | 15.9% |
| 服・靴など、サイズや質感が関わる商品はECで買わなくなった | 13.1% |
| 実店舗で現物を確認してから買うようになった | 12.4% |
| ECの利用そのものを控えるようになった | 4.8% |
| 特に変わらない | 22.1% |
何らかの変化を挙げた人は77.9%。最多は「サイズ表・商品説明・レビューの確認」でした。「ECの利用そのものを控える」は4.8%にとどまり、ECから離れるよりも、ECの中で確かめ方や店の選び方を変えている様子がうかがえます。
経験の型で見ると、「特に変わらない」は見送った経験のある人9.3%、返品・交換のみの人47.9%(参考値)

| 変化 | 見送った経験あり(n=97) | 返品・交換のみ(参考値・n=48) |
|---|---|---|
| サイズ表・商品説明・レビューを入念に確認 | 45.4% | 33.3% |
| 購入前に返品・交換の条件を確認 | 26.8% | 29.2% |
| 返品・交換がしやすいサイトやショップを選ぶ | 25.8% | 22.9% |
| その商品を買ったショップ・サイトでは買わない | 20.6% | 6.3% |
| 特に変わらない | 9.3% | 47.9% |
見送った経験のある人では「特に変わらない」が9.3%で、返品・交換のみの人(47.9%・参考値 n=48)と差があります。「その商品を買ったショップ・サイトでは買わなくなった」も20.6%と、返品・交換のみの人(6.3%・参考値 n=48)より高い結果でした。見送った経験のある97名のうち82名は返品・交換も経験しており、経験の多い層でもあります。
年代別——返品・交換は20代56.0%、50代28.0%

| 年代(各 n=75) | 返品・交換した | したかったのに、しなかった |
|---|---|---|
| 20代 | 56.0% | 44.0% |
| 30代 | 49.3% | 29.3% |
| 40代 | 40.0% | 29.3% |
| 50代 | 28.0% | 26.7% |
20代と50代の差は、返品・交換で28.0pt、見送りで17.3ptでした(各年代 n=75 のため、隣り合う年代どうしの差は誤差の範囲にとどまります)。性別では、返品・交換した人が男性41.3%・女性45.3%、見送った人が男性32.0%・女性32.7%で、大きな差は見られませんでした。
節約意識は71.7%が「高まっている」
「高まっている」計(かなり35.0%+やや36.7%)は71.7%でした。3月の予備調査(同一設問・20〜59歳のEC利用者)は77.4%ですが、3月は自然回収、本調査は年代を均等に割り付けており、標本の構成が異なります。3月の値を年代均等に置き直すと77.0%で、差は5.4ptと標本誤差(±5pt程度)と同程度のため、低下したとは判断していません。
自由記述——「手続きの手間」と「購入前の確認」

内容のある自由記述77件のうち、困ったことでは「手続き・やりとりの手間」が18件、「連絡・対応(返信の遅さ・窓口)」が9件、「返送料・費用」が8件でした。
- 「返品したかったが送料が高くつくので我慢してあきらめた」
- 「1000円以下くらいの低価格の商品だと、手続きが面倒で返品や交換をしない。」
- 「返品したいのに連絡先が中々でてこない」
変えたことでは「購入前の確認を入念に」が24件、「店・サイトを選ぶ・変える」が12件でした。
- 「サイズが小さく返品したが送料がかかった。それをきっかけにサイズ表記をよく見るようにした。」
- 「返品手数料や送料で、とても費用がかかったので、返品についての要綱をよく読むようになった。」
- 「無名のショップに返品交換をしたらかなり大変だったので、名のある有名なショップにするように変えました」
EC事業者への3つの示唆
① 返品・交換の条件を、購入前に見える場所へ
見送った理由には「返品できない商品だった」「期限を過ぎていた」が並び、その後の変化では「購入前に返品・交換の条件を確認する」が27.6%でした。返品の可否・期限・送料負担を商品ページで分かる形にしておくことは、購入前に確認したい利用者の行動に沿うものです。
② 手続きの手間と連絡のしやすさ
見送った理由の上位には「手続きが面倒」が挙がり、自由記述でも連絡先の見つけにくさや返信の遅さが挙がりました。申請の手順や問い合わせ窓口を分かりやすくすることは、見送りの理由として挙がった点に対応するものです。
③ サイズ・商品情報の充実
その後の変化で最も多かったのは「サイズ表・商品説明・レビューの確認」41.4%でした。返品・交換が起きる前の段階で判断できる情報が求められていることがうかがえます。
まとめ
直近1年に返品・交換した人は43.3%、したかったのにしなかった人は32.3%
- 返品・交換をした人の63.1%は、見送った経験もある
- 見送った理由の上位は「手続きが面倒」32.0%、「返品できない商品」29.9%、「返送料が自己負担」27.8%で、ほぼ並ぶ
- 経験のある人の77.9%がその後の買い方に変化。最多は「サイズ表・商品説明・レビューの確認」41.4%
- 年代別では、20代と50代の差が返品・交換で28.0pt、見送りで17.3pt
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調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国 20〜59歳 男女 ECアクティブユーザー
- 有効回答数:300名(男性150/女性150、20代・30代・40代・50代 各75)
- 調査期間:2026年10月6日
- 調査主体:株式会社スポルアップ Research Division
補助参照データ:EC利用実態調査2026(予備調査・n=6,000・2026年3月実施)。本記事の「3月」の数値は同調査の20〜59歳EC利用者(n=2,637)。節約意識は予備調査と同一の設問文・選択肢で聴取しています。
※本記事のグラフ・データはすべて当社が独自に実施した調査に基づくものです。
※引用の際は出典として「株式会社スポルアップ調べ」を明記してください。
