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AI×データ・統計
地方は物価が安い、の「安い」は八パーセントしかない
地方の取引先を回っていた頃、向こうの担当者からよく言われた。「こっちは物価が安いから、給料が低くても暮らせますよ」。本当だろうか、とそのたびに思った。確かに定食は安い。家賃も安い。だが、その担当者は車を二台持っていて、ガソリン代と保険料... -
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賃金は過去最高、倍率は低下——この二つは矛盾しない
賃上げの資料を作る側にいたことがある。毎年春、経営と現場のあいだに立って、「どの職種を、どれだけ上げるか」の材料を揃える仕事だ。そこで必ず出る主張が二つあった。「人が採れない職種は上げるべきだ」と、「全体の賃金はもう十分上がっている」。... -
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起点をずらせば、同じ線が上がりも下がりもする
市場調査の報告書で、一度だけ、クライアントにグラフの起点を直されたことがある。売上の推移を、五年前を起点に描いた。右肩上がりの、気持ちのいい線だった。クライアントは黙ってそれを見て、「三年前からで描き直してください」と言った。描き直すと... -
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東京の給料は二割高い。物価で消えるのは、その一部だ
人事と給与の実務に関わっていた頃、地方から東京へ転勤する社員の手当を決める場面に何度か立ち会った。東京は物価が高いから手当を厚く、というのが社内の常識だった。だが実際に数字を当たってみると、「物価が高い」で説明できる分は、思ったより小さ... -
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五年で一周した倍率は、元の場所に戻っていない
採用計画を毎年更新する仕事に関わっていた頃、年度初めの会議で必ず出る質問があった。「去年と比べて、採りやすくなったのか、なりにくくなったのか」。答えは一つの数字では出ない。だから私は、有効求人倍率の年平均を五年分だけ並べた紙を持ち込むよ... -
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地図は、面積の広い県を大声にする
市場調査の報告書に、日本地図を入れるのが好きだった。都道府県を色で塗り分けると、それだけで「分かった」感じが出る。クライアントも喜ぶ。だが一度、痛い目に遭った。ある指標で北海道を濃い色に塗ったところ、会議室の全員が「北海道が大きい」と受... -
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食費の差は、台所ではなく外で生まれる
東京に出てきて最初の一か月、昼食のたびに小さく驚いていた。定食が、前の町より二百円ほど高い。コンビニのおにぎりは同じ値段なのに、店で食べると違う。その差がどこから来るのか、当時は考えもしなかった。家賃が高いから店が値段に乗せているのだろ... -
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足りない職業の地図は、年齢の地図と重なる
地方の取引先を回っていた頃、ある県の介護施設で聞いた言葉が忘れられない。「求人を出しても、応募してくる人の平均年齢が、入居者とそう変わらない」。冗談めかした言い方だったが、目は笑っていなかった。人が足りない、という話は全国どこでも聞いた... -
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平均の人は、どこにもいない
市場調査の仕事をしていた頃、報告書の冒頭にはたいてい「平均」を置いた。平均年齢、平均年収、平均購入額。読み手が一番安心する数字だからだ。ところがあるとき、クライアントの担当者に言われた。「この平均の人って、実際にいるんですか」。いない、... -
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家賃が高いのではなく、部屋が狭い
東京に引っ越したとき、最初に驚いたのは家賃の額ではなかった。同じ家賃で借りられる部屋が、前に住んでいた町の半分ほどしかなかったことだ。家賃の数字そのものは、覚悟していたぶん驚かない。驚いたのは、その数字で手に入る広さのほうだった。あの日...
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