キャッチャー指導に迷われている指導者は必読 【谷繁流 キャッチャー思考】

指導者はキャッチャーについて悩んでいる

当サイトは、野球チームの監督やコーチの方々が多く訪れるサイトです。
そんな指導者の方から時々Facebookのダイレクトメッセージで、指導者ならではの悩み事や困り事の相談を受けます。

様々な困り事の中でも上位に来るのが「キャッチャー」についてです。筆者はキャッチャー出身、と何度も記事に書かせて頂いているのでキャッチャーについての質問や相談が多いかもしれませんが、やはりキャッチャーはキャッチャー出身で無いと分からない事がたくさんあるのは間違いないです。

 

・子供たちがキャッチャーをやりたがりません。どうすれば良いですか?
・キャッチャーにとって一番大事な事は何ですか?
・キャッチャーを育てたいが自分がキャッチャーでは無いため正しい事を教えられない。
・ウチのキャッチャーは肩が弱いのですが、どんな練習をすれば良いでしょうか?

 

など。以上のような質問を受けますが、実はこのような疑問を抱いている指導者は多いと思ってます。そもそもキャッチャー経験者は絶対数で少ないので、プレーした事が無いポジションを自信を持って選手に伝えることは非常に難しいと理解します。

 

冬はコンバートの時期でもある

そんなキャッチャー指導について悩んでいる指導者の方でも野球で勝つことにおいて「キャッチャーは勝敗を左右する大事なポジション」と理解されている方は多いと思います。

特に、今の冬の時期については、来季のチーム作りのために、選手の身体作りやスタメン構想を練っている頃だと思います。より良いチームへ上昇させるためにコンバートを行うのも、この冬の時期が多いです。

実は筆者も高校2年生の冬にコンバートした経験があります。

小学・中学まではキャッチャーでしたが、高校になるとレフトを守るようになりました。しかし、筆者が最上級生になり、秋の大会でチームとして思うような結果が出なかったので、監督さんと話し合った結果、キャッチャーにコンバートすることになりました。すると、春から県大会で2連覇して、九州大会にも出場できました。最後の夏の大会は準優勝。決して筆者だけの力では無いですが「扇の要」であるキャッチャーを変えたことは、チームにとっても大きな影響になったと思ってます。

筆者がキャッチャー出身なのでひいきした言い方に聞こえるかもしれませんが「キャッチャー次第でチームが生まれ変われる」と言っても過言では無いと考えます。なので、キャッチャーというポジションには、チーム内でレベルの高い良い選手を充てると良いと思います。

来季に間に合わせてコンバートするなら、今、この冬の時期です。

 

キャッチャー指導に役立つために

しかし冒頭でも記述しましたが、良い選手をキャッチャーへコンバートさせたい、もしくは今のキャッチャーがもっと成長して欲しい、という考えを指導者の方はあると思いますが、キャッチャーの指導法が分からない方が多いです。

そこでキャッチャー指導について、学びたいと考えている指導者にオススメの本が

 

谷繁流 キャッチャー思考

 

という本です。
筆者は発売当日に購入し、すぐに読み終えて、それからも繰り返し読んでますが、キャッチャーとしてどんな思考を持てば良いのか、どんな技術が必要か、キャッチャーにはどんな魅力があるのか、ということが詰まった本です。キャッチャーの指導法に迷いがある方は役立ちますし、キャッチャー出身の方が読んでもよりキャッチャーというポジションに対して深みを知ることができます。

ちなみに本の冒頭で書かれてますが、谷繁氏もピッチャーからキャッチャーへコンバートされたようです。これは知らなかったので驚きでした。

そしてなんと!
大変嬉しいことに谷繁元信氏より当サイトをご覧頂いている方へメッセージを頂戴しました。
こちらを是非ご覧ください。

 

※「eラーニングベースボール」は当サイトの旧名です。

 

ここからは筆者が読んで特に印象深かった部分を述べます。
印象的な部分は非常に多いですが、当サイトは学童野球の指導者や学童野球をやっている親の方が多いので、学童野球の目線で役立つと感じたことを選抜したいと思います。

 

信頼を得ること

谷繁氏は「キャッチャーは、ピッチャーや周りから信頼を得ることが大事」と述べてます。これは強く同意です。技術的な信頼、精神的な信頼、両方の信頼を得ることがキャッチャーには要求されると思います。

そこで谷繁氏が行ったことは「練習」と「コミュニケーション力を磨く」こと。

キャッチャーのキャッチングが安定しないとピッチャーは思いっ切り投げることは出来ないです。特にプロレベルの変化球となると、三振を取る決め球でワンバウンドになるボールも多くなります。ワンバウンドでも確実に止めるようになるために、とにかく練習を重ねたようです。シンプルな考えですが、技術を磨くためには練習しかありません。

ピッチャーや野手にとって精神的な支柱になるためにも、声かけやコミュニケーションはとても大事です。谷繁氏は、ピッチャーの性格に応じて声のかけ方を変えていたようですが、言葉の引き出しを多くするためにとにかく本を読んだそうです。グラウンド外でも努力を惜しまなかったことが信頼に繋がっていったのでしょう。

 

審判のことを考えた捕球

「君の構えが、いちばん球が見えやすかったよ」
と、とある審判から言われたことがあるそうです。なぜそう言われたのか考えたところ、他のキャッチャーより谷繁氏は前の方で構えていたようです。

筆者も審判をやったことありますが、後ろの方で構えているキャッチャーは、非常にボールが見えづらい経験をしたことがあります。そして多くのキャッチャーの位置を見てきましたが、筆者が思っているよりも、結構後ろで構えている印象がありました。

最近ではキャッチャーのフレーミング能力が問われていますが、フレーミング技術を磨くよりは、谷繁氏が言うように、

・審判に見やすい状況を作る
・なるべく前の位置で構える

ということを意識した方が良いと思います。前で構えるのは、バッターとの距離が近くなり恐怖心も生まれますが、ストライクを取るためのキャッチングをしたいのであれば「前の位置で構える」ことです。

また本にも書かれてますが、ワンバウンドの処理も前の位置で構えた方がバウンドが小さいため処理しやすくなります。パスボールの可能性も低くなります。

 

股関節、膝、足首が大事

本では「キャッチャーは股関節、膝、足首の柔軟性」が大事とおっしゃってます。なので、キャッチャーのトレーニングとしては股関節、膝、足首を中心として鍛えたり、柔軟性を高めることをオススメしてます。

確かにキャッチャーは、ほとんどの時間、座った状態で試合をします。座って構えた状態から、前後左右に瞬時に動かす能力が非常に重要となることは間違いないです。

なのでキャッチャーにコンバートを検討している選手がいるならば、股関節、膝、足首の柔軟性をまずは見ることが大切です。そして現キャッチャーがこの冬取り組むべき練習は、股関節、膝、足首の柔軟性を高めるトレーニングを徹底的に行うことをオススメします。

谷繁氏が実際にやっていたトレーニングメニューが本には記載されてますので、こちらを参考にするとより良いでしょう。トレーニングメニューを拝見しましたが、正直、地味で下半身が悲鳴を上げるほど、辛いトレーニングです。でも、このトレーニングを毎日毎日続けていた谷繁氏は、偉大な記録となるNPB歴代最多3021試合出場記録を達成した礎になっていることは、間違いないです。

 

キャッチャー愛

この本を読めば読むほど谷繁氏の「キャッチャー愛」を感じます。キャッチャーというポジションは、複雑で大変で、痛い場面もたくさんあるポジションです。しかしキャッチャーは、直接的に試合を動かすことができるポジションです。ゲームの責任を負うことで、プレッシャーもありますが、むしろこの感覚が面白いと感じます。

冒頭で記述した通り、筆者は元々キャッチャーでしたが、レフトにコンバートし、そしてまたキャッチャーへコンバートされました。もちろんレフトも楽しいですが、筆者はキャッチャーが合ってました。久しぶりにマスクを被った試合は、ものすごく楽しかったのを覚えてます。1球1球試合を動かしている感覚があるからです。

「谷繁流 キャッチャー思考」を読むと、谷繁氏のキャッチャー愛を感じ、そしてキャッチャーの魅力も分かってきます。指導者としては、キャッチャーの魅力を伝えていくのも、指導者としての仕事の一つと思います。

 

 

以上になります。

ポジション別の能力を高めたり、身体づくりのトレーニングが多いこの冬に、キャッチャーの指導法で迷われている方には本当に最適な本です。ぜひご一読ください。