投手練習 野球の上達に必要な肩甲骨の柔軟性を高めて可動域を広げるストレッチとは

日本人メジャーリーガー投手からピッチングと肩甲骨の関連を学ぶ

MLBロサンゼルス・エンゼルスで活躍中の元北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平投手の肩甲骨の周りの筋肉が非常に柔らかく可動域が広いことは皆さんご存知だと思います。あるインタビューで大谷投手は「ピッチャーにとって肩甲骨の柔らかさはどう生かされる?」という質問に対し、「柔らかい方が硬いよりも(腕を)広く使える」と返答しています。

これは、肩甲骨周りの筋肉が柔らかく肩甲骨の可動域が広がると、ピッチングの際に腕全体を大きく動かすことができ、その分ボールを加速させられる距離も長くなり、結果、速い球を投げることができるというメリットがあるということです。

日本最速の投手が実践しているとなると説得力が抜群ですね。

また、同じくMLBのロサンゼルス・ドジャースの前田健太選手は、全身、特に上半身を効果的に使えているのがよく分かります。これも前田投手の肩甲骨の周りの筋肉が非常に柔らかいからこそ実現している投球フォームだと思います。「マエケン体操」は肩甲骨周りの筋肉の柔らかくする体操です。前田投手が肩甲骨を非常に大事な部位だと捉えている証拠でもあると思います。投球時に注目してみてください。

肩甲骨の周りの筋肉が硬いとどんなデメリットがあるのか

投球をする上で肩甲骨の動きには「上方回旋、後傾、内転」の3つがありますが、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を高め、可動域を広げることは、全野球選手、特に腕を大きく使って投げることが多い投手と内野手、遠投する外野手のパフォーマンスの向上につながります。

また、肩甲骨周りの筋肉がゴリゴリに硬くなっていると、正しい動作を行おうとしてもうまく動きません。その結果、肘が下がる、しなり不足、手投げなど、投球フォーム不良などになってしまうことも考えられます。ちなみに筆者は、肩甲骨周りの筋肉は選手時代からガチガチに硬かったです。硬いだけが理由では無いと思いますが、肘痛・肩痛、どちらとも経験しています。

特に投球や送球は投げるたびに肩甲骨周りに負荷がかかり、大きなストレスとなるため、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性が低下する可能性があります。

腕の動かし方によって肩甲骨の動きは異なるため、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を高めるエクササイズはたくさんありますが、今回紹介するストレッチは注力して実施すべきものだと思います。

タオルを使って手軽にストレッチ

この、肩甲骨周りの筋肉を柔らかくする方法はとても簡単です。用意するものはタオル1枚だけ。タオルの両端を握って身体の前に出し、腕を上げるようにタオルを頭の後ろへ持っていくストレッチです。肩甲骨周りの筋肉が柔らかい人はぐるっとタオルが1周します。逆に硬い人は頭の上あたりでストップしてしまいます。

これは最近水泳選手も行なっているストレッチで、腕のストロークを大きくするという意味で言うと、水泳(特にクロール)とスローイングは似ているかもしれませんね。同じ目的でやっているストレッチだと思います。毎日、肩甲骨周りのストレッチ(俗に言う「肩甲骨はがし」です)を行い、筋肉の疲労や緊張を取りのぞくことが重要です。

それでは動画をご覧ください。

動画引用元:肩甲骨周辺の可動域を広げるトレーニング(ストレッチ)2種

プロ野球選手も使っている話題の【モーションロープ】

タオルを使ったストレッチでは物足りない、という方には、最近オリックスで導入されて話題となったミズノのトレーニング器具「モーションロープ」を使った本格的なストレッチがおすすめです。

モーションロープは4キロある棒状のロープで、上半身の柔軟性を高める効果が期待できるというもの。トレーニング器具は色々とありますが、モーション・ロープを実際に使用したトレーナーからは「今までにないスペックの高さ」だと評判なのだとか。特筆すべきはその「重さ」と「しなり」。その2つの相乗効果によって肩甲骨の可動域が広がりやすくなると考えられています。

肩甲骨周りが硬い人におすすめの効果的なトレーニングは「8の字スイング」というトレーニングです。8の字の動きは重みとしなりで肩甲骨の可動域が広がり、実際に肩甲骨の動かし方がわからない人でも上半身をうまく使えるようになることが期待できます。肩甲骨周りの筋肉が刺激され、かなりストレッチされるので、もちろんパフォーマンスにも影響すると筆者は思いました。肩甲骨周りの柔軟性があるプロ野球選手などよりも、ガチガチに硬い人のほうがその効果を感じやすいと思います。実際、ガチガチに硬い筆者はストレッチされる強さを感じました。

モーション・ロープを使ったこのトレーニングは、投手、内野手、外野手、それからバッティングでも効果的だと言われています。手投げと一緒で、肩甲骨の可動域が広がり上半身が使えるようになると、回旋がスムーズになるので、スイングスピードに貢献できるのではないかという見解です。フォロースルーが大きくなり、打球の飛距離アップにも貢献できるとも考えています。

また、専門的な知識がなくてもある程度は使用することができ、1本で様々なトレーニングができるのも魅力です。重くて大きさもある器具ですが、色々な場面で使えるので、実際に使っている人たちからは使い勝手がいいという声も多いと聞きました。

※実際に使ってみたアマチュア野球関係者からの談話

例えば、ウエイトトレーニングや、その前後のウォーミングアップやクールダウン、ブルペンの横に置いて、フリーバッティングの待ち時間に打撃投手の投球を見ながら使用するなど、色々な場面で使えることが考えられます。

特に野球は練習でも待ち時間が多いので、待ち時間にモーション・ロープを使い、肩甲骨周りを常に動かすことで柔軟性を高めるのは効率良くトレーニングできる方法と言えそうです。

そこで皆さんが気になるのは、プロと同じトレーニングを、まだ身体ができていない小学生などが行っても問題ないのか、ということではないでしょうか。

野球をする上で、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性がないと、特に投球は上達しないため、小学生でもプロの野球選手でも肩甲骨周りの筋肉を柔らかくし、可動域を広げるのは良いことです。そのため、肩甲骨周りにアプローチするストレッチは大変効果的なのですが、モーション・ロープを使ったトレーニングの推奨は、身体が十分に出来上がった高校生以上だと感じました。小中学生はやってはいけないということではないですが、それなりの重さがあるので、痛みなどが出ないよう、使い方には注意が必要です。

肩甲骨が思うように動かないと、やりたい動作もできない時があるかと思います。そういった意味では、肩甲骨周りの筋肉を柔らかくし、肩甲骨の可動域を広げるトレーニングは野球のパフォーマンスを向上するためには効果的だと、筆者個人的な意見としては強く感じています。

トレーニングやストレッチ方法がわからないというコーチや監督は、使い方や頻度、使う場面、目的などを考えて、通常のトレーニングにプラスしてモーション・ロープを取り入れてみるのもひとつの方法かと思います。

モーションロープについてより詳しい内容を知りたい方はミズノベースボール公式サイトをご覧ください。モーションロープの使い方が分かる動画も掲載されていますので是非参考にしてください。

まとめ

筆者個人的な見解ですが、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を上げ、肩甲骨の可動域が広がると、ピッチングのパフォーマンスに良い影響を与えると考えます。大谷投手、前田投手がそれを証明していると思います。

またピッチングのみならず肩甲骨の可動域が広がることで腕全体を目一杯活用することが出来ますので、野手の送球、バッティングにも良い影響を与えると考えます。

なので、野球選手であるならば「肩甲骨の柔軟性」というのは強く意識しなければいけない。そのためには正しいフォームでのストレッチやモーションロープのようなトレーニングギアをしっかりと使いこなすことが大事だと言えます。