プレッシャー克服 第1話 あなたは精神マネジメントを重要視してますか

心・技・体の三要素のバランスと調和をとること。これが、どんなスポーツにおいて重要だと私たちは教えられてきました。みなさんも、技、すなわち競技の技術や作戦などの思考、そして体、すなわち体力や筋力の鍛錬については、普段の練習でも中心的なメニューとして取り組んでいると思います。

さて、その一方で。心、すなわち精神のマネジメントはどのように行っているでしょうか。そもそも、スポーツの練習として取り組んでいるでしょうか。個人的な感覚ではありますが、心の鍛錬はアマチュアスポーツでは比較的重視されておらず、鍛える方法も技・体に比べ確立されていないように思うのです。

野球に特化して言うならば、

・ピンチの時
・チャンスの時
・テレビ放映される時
・決勝戦

など、精神的に強い弱いでプレーの明暗が分かれることは多々あります。満塁の時に平常心で打席にあなたは立てますか?この質問にYESかNOかで大きな差になるでしょう。

鍛錬法が充実しているとはいえない現状の一方で、スポーツと心は非常に関わりが強く、切っても切れない関係にあります。きっと、誰もがそれを実感したことがあるでしょう。

プレッシャーがかかっていると感じたり、緊張したりしたことで思ったような結果が出ずに悔しい思いをしたことはないでしょうか。今回のオリンピックでも、「プレッシャー」という言葉はあちこちで、いろいろな文脈で聞かれました。結果を残した選手を称賛するコメントでは、「強いプレッシャーに打ち克って結果を出した」、逆に期待された結果を残せなかった選手からは「オリンピックは他の大会と比べものにならないほどのプレッシャーがかかった」という声。国を代表するようなスポーツ選手でも結果を左右するほど影響を受けるもの、それがプレッシャーなのです。

では、プレッシャーを克服するために我々はどんなことをしているでしょうか。「人という字を三回手のひらに書いて飲み込むまねをする」「観客をカボチャだと思い込む」「自分に自信をもつ」。よく聞かれるのはこのあたりですが、どれも科学的な根拠のない迷信めいていたり、漠然としたりしています。効果のほどは個人差もあり一概にはわかりませんが、少なくとも技・体に比べて鍛錬法の浸透が進んでいないと感じざるを得ません。

科学的根拠に基づいたプレッシャー克服法を見出すことができれば、スポーツにおけるパフォーマンスの向上、ひいては心の鍛錬法の充実を目指せるかもしれない。そんな問題意識からこの記事を書くに至りました。

前置きが長くなりましたが、次回からは、心・技・体のうちの心、特にプレッシャーとの付き合い方について、心理学的観点から、筆者の個人的研究の結果も交えつつ何度かに分けてご紹介したいと思います。

記事筆者:澤田 舜樹