第6話 答えを出すのは子供たち【U12監督編】

仁志敏久インタビュー、第6話は【U12監督編】です。
現役を引退して指導者の道へ。選手に対してどのように向き合っているのか、チームビルディングはどのように行っているか、など色々と伺いました。

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最も大事なことは生活習慣

山本
いよいよ最後になってしまいますが、U12の監督として聞かせてください。
まず伺いたのが、小学生の時から、どんな体づくりをすれば良いのか、悩まれてる監督や親が結構いらっしゃいますが、小学生時代からやった方が良いトレーニングはありますか?

仁志
最も大事なことは生活習慣に気を付けるということ。
大人でも同じようなことが言えますが、生活習慣はすべて体にあらわれてしまうと考えるべきです。

山本
ドキっとします(笑)

仁志
いつもいつも気を張って生活しろというわけではないですが、子供はまだ未開発な体なので、良くしようと思えば良くなって行く余地は大人よりもはるかに大きいと思います。

まず悪い姿勢で生活し続ければもちろん体型、バランスが改善することはあり得ません。姿勢が悪いということが原因で、うまく体を動かせなくなってしまうこともあります。
関節の可動域が狭い中で野球をやっていても動作はなかなか改善されません。もちろん、上手くならないということにも直結します。

食生活に関しても、好きなものだけを好きなだけ食べていてはいけないことは分かると思いますが、そこに加えて練習をやらないということにもなれば、当然バランスの崩れた体になってしまいます。
これも、上手くならない原因のひとつになってきます。
ちょっと走ったら疲れる。疲れるから走りたくないという風に、悪循環を招き、いずれ疲れることはやりたくないという風になってしまいます。
毎日の生活習慣がその方向に自分を導いてしまうのです。
まず、そういったところを改めることが、スポーツをする土台を作る一番のベースになってくると思います。

山本
なんだかすごく納得です。
U12のメンバーでご飯を一緒に食べると思いますが、小学生なので好き嫌いが結構あると思いますが、そういう時は言いますか?

仁志
僕はあまり言わないですけど、他のスタッフが言ってくれます。
野菜を食べなさい、バランスよく食べなさいといった感じで。
ホテルだとバイキング形式の食事になるので、自分の好きなものというよりも、食べたいものしか取らない子も多い。
どんな食事をするのか、というのもその子の日頃の生活習慣が出ると言ってもいいと思います。
フライドポテトやナゲットばかり取って来る子は毎回非常に多いです。
そういう子はやはり体調を崩しやすかったり、肝心の野球でも体が動かなかったりします。

 

野球に対する取り組み方が素晴らしい選手は顔に出てくる

山本
野球が上手くなるための土台として、生活習慣がとても大事だと言うことは、本当に理解しました。納得です。
次にチームづくりについて伺いたいです。
U12のキャプテンを決めるのは、本当に大変だと思いますが、どんな風に決めてますか?

仁志
もちろん技術的な面もありますけど、面構えを見ているのかもしれません。
キャプテンにした選手は、野球に対する取り組み方が非常に素晴らしいと言えますが、それが顔によく出ているように思います。
真面目、気が強そう、自信があるといった感じで。

一番最初に受け持ったチームでキャプテンにした子は、チームの中で一番小さい子でした。
小さいからという意味が初めからあったわけではありませんが、たまたまそういう子をキャプテンにしたら、周りの子たちがキャプテンを盛り上げてキャプテンとして作り上げてくれた。でもそこには、小さいけれどみんなをまとめようと一生懸命だったその子の姿を他の子が見ていたからだと思います。

山本
そのキャプテンの子は面構えが良かったのですか?

仁志
もちろん!いい顔してますよ。
強いというよりも、優しい顔です。でもその子には「強くなれ」と言いました。
小さいからといって臆する必要は全くありませんから。

最初に受けた感覚って、やっぱり意外と正しかったりするのかもしれません。
見れば見るほど、知ってしまうほどダメな場合もあります。もちろん知れば知るほど評価される人間もいますが。

山本
どのタイミングでキャプテンを決めるんですか?

仁志
最初から誰をキャプテンにするかということも含めて選手を選考しています。
でも、話したこともなければ声を聞いたこともない中で選ぶので直観に頼るしかないところもあります。
遠目から見た振る舞いや雰囲気でしか評価できませんから。
しかし、だから何の偏見も入らないのかもしれません。

 

答えを出すのは子供たち

山本
なんだかベテラン刑事みたいな感じですね(笑)
やはりキャプテンを中心としたチームづくりをされているんですか?

仁志
そうですね。
キャプテンを中心にして、役割やチーム内での振る舞いなど、どういうことに気を付けるのか。決まりは自分たちで作らせたりもします。
‘17年の子供たちは試合が終わってから自分たちだけでミーティングをやっていました。
それまでのチームでも子供たちだけで話し合う機会は作っていました。

山本
子供扱いしていない。とても自主性が育ちますね。

仁志
必ず最後に答えを出すのは子供たちという方法にしなければいけません。
大人が先回りして答えを決めて、そこに子供たちは当てはめようとしてしまうような方法では肝心の子供たちの記憶に残りません。それから、大人が思うことが必ずしも正しいとは限りませんし、上手くいくとも限りません。大人がいなくても自分で発想して行動できるかということを考えておかないといけないと思っています。
自分の発想で、自分の考えで行動したことは記憶にも残りますけど、人に言われてやったことはその後同じケースに出くわしても言われたことを自発的に発想出来るかというとかなり疑問が残ります。

山本
となると、試合中も同じように、あまり口を出さない?

仁志
試合中は出た結果を冷静に見ています。
失敗しても特に驚くことはありません。
全ては終わってから子供たちと検証します。
基本的にはグランドに出る前に伝えるべきことは伝えておく。
そしてその日の試合が終わったらまたポイントを検証して次に備える。
試合中にアドバイスをすることも勿論ありますが、具体的すぎる内容は絶対に控えます。試合中の細かなアドバイスは時に子供を混乱させてしまうこともあるからです。だから基本的には何も言わないということをベースにしています。

山本
仁志さんの考えの根底には「自分で考える」ということが大きいですね。
技術を教える前に、生活習慣を正したり、自主性を促したりと「人づくり」が根本にありますね。
本日はどうもありがとうございました!

仁志
ありがとうございました。

 

 

【U12監督編】はここまでです。
代表チームというものは、個々の選手としては優秀だと思いますが、チームとして体を成すためには、非常に大変な作業になると思います。短い時間でチームビルディングを行い、チームとして戦える集団にしなければいけません。短い時間でチーム作りをするには、もしかすると仁志監督を中心とした首脳陣がトップダウンで指示・命令する方が早いかもしれないです。しかし仁志監督はそれをやらない。あくまでキャプテン中心としてチームを作り、決まり事も自分(選手)たちで作ることを求めてます。
仁志さんのお話しを聞いていると、短期的な思考ではなく、もっと長期的な思考で、U12を卒業した選手達がU12の経験を生かして大きく飛躍して欲しい、という願いや想いが垣間見えます。指導者というのは、選手たちのゴールをどこに設定しているのかで、関わり合い方が大きく変わるのだと、仁志監督のお話しを聞いて強く感じました。
さて次週は、今回のインタビューの総括としてまして【インタビュー後記】です!お楽しみに!

 

 

プロフィール

仁志敏久
1971年10月4日 茨城県古河市出身
野球解説者、野球指導者

経歴
常総学院高等学校、早稲田大学、日本生命、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズ、 ランカスター・バーンストーマーズ

主なタイトル歴
新人王(1996年)
ゴールデングラブ賞4回(1999年~2002年)

仁志敏久ホームベースクラブ facebookページ

 

山本慎二郎
1979年9月14日 宮崎県宮崎市出身
株式会社スポリティー 代表取締役

職歴
株式会社シンソフィア
楽天株式会社
アマゾンジャパン
株式会社オズビジョン
インクルージョン・ジャパン株式会社
株式会社スポリティー

スポリティー会社情報
山本慎二郎 facebookページ

 

 

 

仁志敏久
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