第2話 監督の独り言が一番の教科書【常総学院編】

仁志敏久インタビュー、第2話は【常総学院編】です。
1年生からレギュラーとして活躍した仁志さん。
常総学院では、どんな練習をして、どんなことを学んだのか。色々と伺いました。

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前回の「小学生・中学生編」はコチラ

 

常総学院編

山本
続いて常総学院時代の練習を伺いたいです。

仁志
強豪ではありますけど、特別な練習はそれほどしていないです。
年間を通してだいたいある一定のメニューです。
練習の始まりはだいたいシートノック。

山本
アップしていきなりシートですか?

仁志
はい。キャッチボールやって、じゃあノック始めようって言って、シートノックが始まります。それが終わったら、バッティングの準備をすぐに行ってバッティング練習が始まります。
5箇所をネットで仕切って、一人5~10本を4回とか5回とか。時期などによって数は変わります。
バッティングが終わると、またノックが始まりますが、シートノックとは違い数を多く捕る内容です。で、このあたりで終わることがおおよそですが、もう少し時間的に長くやる場合はティーバッティングをプラスするという具合です。
大会前になると守備のフォーメーションが入ったり、試合でテーマが出ればその練習。もちろん、ランダウンプレイなんかにも時間を割くことはあります。
でも、一般的な高校野球の印象と比べるとあまり特別なことはやってないと思います。

 

監督の言葉を横でずっと聞いていた

山本
それで全国的にも有名な強豪校になっているのは、なぜでしょう?

仁志
どちらかというと常総学院は、試合巧者的なものを目指しているところがあります。
プロレベルの選手を育成するというよりはまず勝つこと。甲子園での成績からすると意外とプロ野球に排出されていないとも言えます。基本的には試合の中でどうするかを考えることが常総学院では求められます。

山本
その考えは面白いですね。
では、試合巧者になるために、例えば試合前のミーティングとか、戦略と言いますか、そういうのは結構ガッツリやった感じですか?

仁志
いえ、そういうわけでもないです。
時代もありますが、それほど綿密なことはやりませんでした。
ただ、試合中に監督が言ってることをずっと聞いておくのが常総学院の習慣です。
試合中に監督がずっとその時起こったプレーやこれから考えられることなどを解説していて、選手たちはそれを聞いています。
「あいつはこういう時に弱い」とか、「あいつの性格だとここはこう」「この場面はバントはしない。なんでかっていうと・・・」といった感じで。
監督がずっと何か言っているので、いつも聞いていました。監督の近くに寄らない選手もいますが、僕の場合、1年生からベンチに入っていたので、コーチの先生から「1年生なんだから監督が言うことを横に座って聞いておけ」って言われて、3年間ずっと監督の横で話を聞いていました。
監督の言いたいことや考えていることを早くに理解していたので、監督を怖いと思ったこともないし、叱られて腹を立てることもほとんどありませんでした。
監督の独り言が一番の教科書でした。
教えてくれたことをやるんじゃなくて、教えられる前に知っておかなきゃいけないっていうような感じですかね。

 

自ら考えるプレーが身に付く

山本
自分で考える、ということが自然に身に付きますね。
では、このような考えを選手が持っていると、打席に立つ時に「ここはバントだろう」とか「ここはエンドランかな」とか先回りした考えを持つようになって、監督のサインと合致しやすくなるんですか?

仁志
そうですね。ここはこうだろな、って思ってプレーしていました。
分からない選手もいたでしょうけど。
ただ、常総学院の場合、打席に入る前のネクストサークルで、例えば、前のバッターが2ボールとか3ボールになったら、監督のところに行ってどうしますか?って、聞きに行きます。
そうすると監督が「次出たらバントするぞ」とか「エンドラン出すかもしれないからちょっと頭入れておけ」という具合に言ってきます。
そのうえで打席に入ります。だから打席でサインを見た時に「えっ!?」ていうことはほとんどありません。

山本
ネクストの時に監督から呼ばれることはあっても、自ら監督のところに行ったことは無いですね。

仁志
1年生から出ていたこともあってそれにはすぐに慣れましたね。
初めのころは「ランナー出たらどうしますか?」という感じで聞いていましたが、そのうち「バントにしますか?」という聞き方になったり、「エンドランやるから」と言われても、「この場面だったらバスターエンドランでもいいですか?」って提案したりということもありました。

山本
高校生で監督に作戦を提案するなんて、なかなか聞いたこと無いですね。

仁志
そうですね。
なので、考えがしっかりしていれば、選手が自主的にやったことも尊重してくれました。
甲子園の決勝戦、2対5で迎えた9回の裏。ノーアウト1塁で打席がまわってきて、その時のサインがセーフティーバント。
きっと監督は、普通に打たせて、1年生がゲッツーで終わらせるのは3年生に申し訳がないと思ったのかもしれません。
しかしこの状況でセーフティーバントじゃアウトになるなって思ったので、プッシュバントをしました。
結果は見事に成功。
もちろん成功したこともあってでしょうが「なんでお前セーフティーなのにプッシュやったんだ」とは言われなかったです。プッシュを選んだのにはこちらもそれなりの理由がありましたから。

山本
選手の判断を尊重することって、実はなかなか出来ないことですよね。さすが素晴らしい監督さんです。

 

常総学院編はここまでです。
常総学院の強さの秘密が少し分かった感じがしました。選手自身で考える力が備わっているので、監督から指示が無くても、状況に応じたバッティングや守備が個々で出来ると思いました。また、自分で考える力があるので、個人練習でも自ら課題を見つけ、その課題を克服するために自ら練習をやる、ということが出来ているのでは、とも思いました。やらされてやる練習ではなく、自ら行う練習は成長の幅が大きいと思います。
次週は、大学生時代と社会人時代に、どんな体験をしてプロへのステップを踏んだのか!?【早稲田大学・日本生命編】をお楽しみに!

 

 

プロフィール

仁志敏久
1971年10月4日 茨城県古河市出身
野球解説者、野球指導者

経歴
常総学院高等学校、早稲田大学、日本生命、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズ、 ランカスター・バーンストーマーズ

主なタイトル歴
新人王(1996年)
ゴールデングラブ賞4回(1999年~2002年)

仁志敏久ホームベースクラブ Facebookページ

 

山本慎二郎
1979年9月14日 宮崎県宮崎市出身
株式会社スポリティー 代表取締役

職歴
株式会社シンソフィア
楽天株式会社
アマゾンジャパン
株式会社オズビジョン
インクルージョン・ジャパン株式会社
株式会社スポリティー

スポリティー会社情報
山本慎二郎 Facebookページ

 

 

仁志敏久
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